★ママプロニュース★

    【レポート】後期 第4回『しごと×くらし×新ワークスタイル』2016年2月18日(木)

    2016年2月28日

     

    「女性のためのリベラルアーツ講座」、後期4 回目のテーマは『しごと×くらし×新ワークスタイル』。

    女性の活躍を後押しする取り組みが増えつつある昨今、「自分のやりたい仕事がない」「育児との仕事の両立ができない」と、働くことをあきらめていませんか?

    今回は、働き続ける女性や、起業を支援する活動を行っている3名のゲストをお迎えしました。

    10年以上勤めた会社を飛び出し、仲間と株式会社Warisを立ち上げた田中美和さん、家族と仕事のバランスを取りながら起業した成田由里さん。そして、ワーキングマザーを応援する雑誌『CHANTO』(主婦と生活社)編集長の山岡朝子さん。

    「起業」と聞くと、ハードルが高く感じられるかもしれませんが、女性が「ライフスタイルに合わせて、無理せず働き続けるための手段」でもあるのです。

    総合コーディネーターは、次世代社会研究機構の西田陽光さん。「女性と起業」について、和気あいあいのトークが繰り広げられました。

     

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    会社員、専業主婦から「社長」へ

     

    西田:まずは3人のゲストの皆さん、自己紹介から。「なぜ今、こんな仕事をやっているの?」というお話をお聞かせ下さい。

     

    成田:はじめまして、金沢市に本社を置く、株式会社ウーマンスタイルの成田です。起業して8年目。

    もともと、夫が転勤族で、子どもが小さいうちは専業主婦でした。当時は在宅ワークが中心でしたが、「自分と同じように、在宅で働く女性を支援したい!」と思い立ったんです。

    石川県に戻りまして、今では県内在住の会員女性、約1200名に、ウェブアンケートやインタビューなどを行い、地元企業のマーケティング支援をしています。

    あとは、おとなの食育プログラム「発酵食大学」も運営しています。

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    田中:はじめまして。株式会社Warisの田中と申します。2013年に起業するまでは、日経

    BP社で11年間、記者をしていました。中でも『日経WOMAN』という、働く女性向けの雑誌を作っていた経験が、起業のベースになったと思っています。女性って、20代のうちは自分のペースで働けても、30~40代とライフスタイルが変わるにつれて、「いきいき働く」ことが難しくなるんですよね。結婚や出産、夫の転勤……それでも「働きたい」女性たちを支援しようと、会社員時代にキャリアカウンセラーの資格を取りました。その後、会社を辞めてフリーランスのライター・キャリアカウンセラーとなり、今の創業メンバーと出会ったんです。弊社では、企業と文系総合職の女性をマッチングする事業をしています。「週3日」「短時間」など、フレキシブルな働き方を望む女性たちと、企業をつなげるのが仕事です。

     

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    山岡:私は、お2人と違って会社員で、主婦と生活社で『CHANTO』という雑誌を作っています(14年月創刊)。これまで、生活実用誌といえば「専業主婦向け」しかなくて、「働くお母さん向け」がなかったんですね。でも、パートを含めて働く女性が増えている今、仕事と子育て、家事の両立に悩む女性もまた、増えていると思います。雑誌を通じて、家事の負担を減らせるアイデアを紹介することで、女性がストレスなく仕事を続けていけるサポートがしたい。たとえば、これまで1時間かけていた夕食を「15分」で作れないか。片付けの手間を省けないか。毎号、大規模な読者アンケートをして、家事の効率化ノウハウを提案しています。

     

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    西田:女性は、結婚や育児によってライフスタイルが大きく変わりますよね。それを皆さん、応援する仕事をしていらっしゃる。

     

    起業するのは、思ったより難しくない

    西田:起業というと、難しそうな印象もありますが……。

     

    成田:起業自体は、思ったより簡単でした。法人化するのも、そこまで大変じゃない。ただ、「続けること」が大変なんです。私の場合は、従業員を雇うところでも苦労しました。どうすれば従業員のパフォーマンスを最大化できるのか、悩んだことも。あと、業務が拡大するにつれて、キャッシュフロー(お金の流れ)がいかに大切かも痛感しましたね。

     

    田中:10年以上勤めた会社を飛び出すのは勇気がいりましたが、2011年に東日本大震災があって、人生観が変わったんです。「後悔しない人生を送ろう」と。会社を立ち上げたことで、起業イコール「自分の人生をデザインすること」だと実感しました。

     

    西田:では、起業する際、「ここは注意した方が良いよ」という点はありますか?

     

    田中:今の共同代表に出会う前から、私は会う人、会う人に「女性のキャリア支援がしたい」と言って回っていたんです。それが、自然と起業へ繋がった。最初は等身大のスタートで、会員も、友人のつてで100人くらいからスタートしました。取引先も、会社員時代のお取引先にお願いして……そんな経験もあって、企業の際、「仲間づくり」の場は大切だと感じています。あとはスピード感。ダメだなと思ったら、諦めて次へ行くことも大事。

     

    成田:よくも悪くも、女性の起業家は、男性と比べて「何年後に売上何千万円を達成したい」などの、大きな目標を立てないケースが多いようです。リスクを取らずに、少しずつ長く続けて、前進したいと。でも、あるとき、お取引先の男性社長から、「ビジネスでは互いにリスクを取り合わなければいけない。そうしないと、互いに商売が成立しないんだ」と言われまして。少し考えが変わりました。

     

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    少し前の「女性社長」とは違うあり方

     

    山岡:お2人の話を聞いて、一昔前の、バリバリ働いて上を目指す「女性社長」のイメージとは随分違うなぁと感じました。しなやかに「自分なりの一歩」を踏み出している。『CHANTO』の読者にも、「趣味のものづくりを仕事にしたい」とか、「雑貨をネットで売りたい」という方は多いんです。その「◯◯したい」を実行に移し、一歩踏み出したことが、お2人の素晴らしい点だなと。ぜひ今度、取材させていただきたいです。

     

    西田:「自分はこれができない」ではなく、「これはできる」と思えるかどうか。自分を客観視してみれば、「私は掃除が得意だな、片付けが得意だな」など、自分の強みが見えてくるはずです。

     

    山岡:『CHANTO』では、働く母親の「1日密着企画」が人気なんです。1日中、1人の女性に密着取材をしていると、沢山のことを話します。

    驚くことに、皆、何度も仕事を続けるべきか悩んだ経験があるんですね。「自分の母親がしてくれたような家事・育児ができていない」とか、「子どもが熱を出して休むたびに、同僚に申し訳なさを感じる」とか、罪悪感もあって。でも、現代の働く女性たちが、専業主婦の母親と同じライフスタイルを実現するのは難しい。だから、完璧な家事はある程度「諦める」ことも必要。誌面を通して、女性ひとりひとりがもっている「罪悪感」を解決していくことが大事だなと。

     

    西田:今の女性たちにとって大切なのは、何でも「あきらめずに続けること」。得意な分野を洗い出してみることが、強みを活かすことに繋がるんですね。(了)

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    【登壇者プロフィール(敬称略)】

     

    <ゲスト>

    田中美和(株式会社Waris代表取締役/共同創業者)

    米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。1978年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現 日経BP社)入社。特に働く女性向け情報誌「日経ウーマン」の企画・取材・編集・執筆に携わる。インタビューや、アンケート分析を通じて接してきた女性の声はのべ3万人以上。2009年にキャリアカウンセラー資格を取得。女性が自分らしく前向きに働き続けるためのサポートを行うべく2012年退職。フリーランスのライター・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年株式会社Waris設立。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)がある。

     

    成田由里(株式会社ウーマンスタイル代表取締役) 

    石川県在住の主婦モニター1200名を組織し、男女の買い物における価値観・購買プロセスの違いを踏まえ、女性視点での商品づくり、接客サポートを行う。マーケティング実績では、自社プロジェクト「発酵食大学」で発酵王国いしかわの地域の魅力と地元企業のファンづくりを目指した取り組みを展開。第4回DBJ新女性ビジネスプランコンペティションファイナリスト。また自身の経験から、女性の多様な働き方を支援し、仕組化に取り組みながら、自社のワークライフバランスを向上させ、女性の働きやすい環境づくりを目指している。

     

    山岡朝子(株式会社主婦と生活社 CHANTO編集長)

    1997年4月主婦と生活社入社。「私のカントリー」編集副編集長、「ひとり暮らしをとことん楽しむ」編集長、「住まいと暮らしの雑誌」編集長、「すてきな奥さん」編集長を経て、2014年5月に働く女性のための生活実用誌「CHANTO」編集長に就任。

    「CHANTO」はお仕事をしながらでも、料理や家事や子育てさらには美容からお洒落まで、“ちゃんと”やって、自分の時間も“ちゃんと”楽しみたいそんなアクティブな主婦の暮らしと心に寄り添える、オンリーワンの雑誌を目指している。

     

    <総合コーディネーター プロフィール>

    西田陽光(一般社団法人次世代社会研究機構代表理事)

     

    1997年、非営利の政策シンクタンク「構想日本」の立ち上げメンバー(運営委員)パブリシティ担当ディレクターとして毎月JIフォーラムを17年間企画運営する。2013年6月末退社。2003年(社)日本家庭生活研究協会の常務理事として「男性のワークライフバランス」事業責任者として「お父さんの十カ条」冊子作成、「ワークショップ用プログラム」の開発や男性の家庭参画推進の数々の啓蒙推進企画を実施。2013年一般社団法人次世代社会研究機構代表理事に就任。2014年「特別養子縁組推進キャンペーン」を日本財団と行う。「子育て知事同盟」応援企画を長野県と企画。子育てパパママ支援企画・女性支援企画を数々開催。

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