女性のためのリベラルアーツ講座

スパイラルとの協働事業として開催している連続講座。生き方、暮らし方、時短、心とからだ・・など様々なテーマに合わせて、多様なゲストをお迎えし、「リアル」な体験談に学びます。

    【レポート】後期 第1回 自分サイズの暮らし方

    2015年10月28日

    「生きるための知恵を学ぼう! 女性のためのリベラルアーツ講座」、10月からは後期がスタートしました。第1 回目のテーマは『自分サイズの暮らし方』。日経BP社『ecomom』編集長の村上富美さんと、「食」を通じて人と人をつなぐ食卓マッチングサイト「Share Table(シェアテーブル)」代表の藤愛美さんをゲストにお迎えし、熱いトークで盛り上がりました。
     

    子育て真っ最中の編集長、12月に出産を控えた「Share Table」代表
    西田:まずはお2人の自己紹介から、お願いします。ざっくばらんに、これまでどんなお仕事をされてきたのか、ご家族のことなども含めてどうぞ。
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    村上:日経BP社で、環境に関心をもつママ向けの雑誌『エコマム』の編集長をしています。弊社では今、30代の女性たちが続々と結婚、出産をしていて、人事制度も見直しているところです。私は、夫も編集者で、高校生と小学生の子どもがいるのですが、義母の助けも借りつつ何とかやっています。今回のテーマとも関連するのですが、『エコマム』の読者から反響が大きいのは、「食」に関する特集なんですよ。

    藤:私は現在、「Share Table」というサイトの立ち上げを準備中です。暮らしを「シェア」する新しい家族の形を考えたくて、「食」に注目していて。地域の知らない人同士が、ご飯を持ち寄って一緒に食べる。これまでも、そうしたイベントを開催していたのですが、いよいよマッチングサイトとしてのスタートを考えています。個人的には‥‥12月に出産予定です。
     
    地域コミュニティの希薄化に、「食」を通して貢献
    西田:お2人とも、「食」の違いを通して互いの違いを知る、ということを、お仕事に活かされている点が共通していますね。

    藤:核家族化が進み、地域コミュニティがだんだん、希薄になっています。家族の中でも「孤食」が進んでいる。だからこそ、食を通して、地域の人たちがつながる場を作りたい。

    村上:面白い研究があります。バイキング形式の実験で、1人で食べるよりも、好きな人と食べる方が栄養バランスも良くなり、エネルギーの生産性も高いそうなんですよ。
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    幼い頃に食べたものが、人生を大きく左右する
    西:確かにそう。お酒だって、健康な飲み方がありますよね。好きな人と飲む方が健康に良い(笑)。藤さんは、12月に出産を控えておられますが、「子育て」と「食」についてはどうお考えですか?

    藤:子どもの頃に何を食べたかって、人生を大きく左右すると思うんです。家庭の味は、それぞれ違う。だからこそ、まったく違う家庭と、食事の場を共有する「開かれた場所」があればいいなと考えているんです。

    村上:田舎では、1人暮らしのお年寄りたちが、「多く作ったおかずを、食べきれないからご近所でシェアする」文化が根付いているところもありますよね。子育て真っ最中の私にとっては、「こちらにも分けて!」と言いたいくらい。羨ましい。

    藤:2030年には、単身世帯が4割を超えると言われています。個人の自由は広がりますが、食に関して「生きた学び」をすることは、難しくなっていく。そんな今だからこそかもしれませんが、家庭以外で食事ができる「地域の食堂」が、少しずつ増えています。そういう「食事をシェアする仕組み」を、もっと作れたらいいな。
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    これからは「シェア」が重要なキーワードに
    西田:地域の人たちが一緒に何かをする、教える、学ぶ営みって、どんどん衰退していますよね。何でも「合理化」の世の中で、「シェア」というキーワードが、かえって大切になってきています。

    村上:「シェアする」って、結局「ギブ・アンド・テイク」ではないでしょうか。自分から何かをシェアできる人間になることも必要。たとえば、子どもをママ友同士で預け合うことが、結局は、子どもを社会で育てることにつながるような……。

     
    西田:会場の皆さんにも、ぜひ、発言してもらいましょう。

    「シェアの場」へのハードルは、一度参加すれば格段に低くなる
    会場1:食事を共有するマッチングサイト、「Share Table」の藤さんに聴きたいのですが、知らない人同士が集まって食事を食べることに、最初はハードルを感じる人もいると思うんです。

    藤:私も試行錯誤中です(笑)。でも、イベントに一度参加してもらうと、すごくハードルが下がるんですよ。一歩踏み込んでもらえる仕組みを作るため、サイトに口コミを載せるなどの工夫を考えています。
     
    会場2:私も「食事のシェア」に興味があって。ただ、レンタルキッチンを借りると費用がかかりますよね。本当は、食事を作る段階からシェアしたいんですが……。

    子育て世帯と、独身世帯、高齢者世帯をつなぎたい!
    会場3:実は私、文京区の新感覚子育てサークル「ワラビー」に関わっています(※筆者注:URLはおそらくこちらだと思います)。地域の調理室を借りて、みんなで料理を作り合うんですよ。他の地域でも、こうした活動をしているところはあるんですが、本当は子育て世帯だけではなく、独身者や高齢者にも参加して欲しい。

    藤:費用面や、地域全体での交流は確かにハードルが高いですが、社団法人とのコラボなど、様々な方法が考えられるかもしれません。ぜひぜひ、皆さん一緒にやりましょう!
     
    会場4:私は目黒区で、留学生支援の「ミーファ」という活動をしています(※筆者注:URLはおそらくこちらだと思います)。ただ、留学生たちが、学校以外の「地域の人たち」ともつながれると、もっといいなと、お話を伺って思いました。

    村上:「シェア」は、世代や国境すら超える、有意義な営み。限られた資源をどう活用し、次世代に引き継いでいくか。これからは、会社組織にとっても地域にとっても、様々な「シェア」が重要になっていくと思います。

    西田:知らない人同士の交流を、思い切って引き出していく。その際、「食」は重要なキーワードです。交流という営みから、新しい知恵も出てくるんですね。
     
    まとめ:西田さんが全員にマイクを回し、議論は白熱。そこから見えてきたのは、「シェアの大切さ」でした。私たちは、「伝える、分かち合う場所」があるからこそ、社会での役割を感じられる。ライフスタイルが自由になればなるほど、新しい「シェアの形」が生まれていくのかもしれません。新たな可能性を感じる2時間でした。(了)
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    【登壇者プロフィール】(http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_1671.htmlより)
    村上富美(日経BP社「ecomom」編集長)
    1964年、広島県出身。立命館大学法学部政治学科卒業。在学中、中国・北京第二外国語大学に留学。山梨日日新聞社記者、イギリス滞在を経て、日経BP社に入社。日経ビジネスで記者、編集委員として運輸・流通業界を担当。ライフスタイル誌リアルシンプルジャパン副編集長、日経ヘルスプルミエ編集長を務めた後、人事室で女性活用推進の業務も担当。現在は、環境に関心を持つママに向けた雑誌エコマム編集長。一男一女の母。

    藤愛美(ShareTable[シェアテーブル])
    早稲田大学卒業後、官公庁向け情報コンサルティングファームにてコンサルティング業務、家具流通小売業での業務マネジメントを経て金融系情報サイトを運営する会社にてウェブコンサルティング業務に携わる。現在、暮らしをシェアする新しい家族のカタチを提案する「食」を通じて人と人をつなぐ食卓マッチングサイト「ShareTable」の立ち上げ準備中。‟テーブルシェアリング(一緒に食卓を囲むこと)”を広げるイベントを開催している。12月に初の出産予定。

    西田陽光(一般社団法人次世代社会研究機構代表理事)
    1997年、非営利の政策シンクタンク「構想日本」の立ち上げメンバー(運営委員)パブリシティ担当ディレクターとして毎月JIフォーラムを17年間企画運営する。2013年6月末退社。2003年(社)日本家庭生活研究協会の常務理事として「男性のワークライフバランス」事業責任者として「お父さんの十カ条」冊子作成、「ワークショップ用プログラム」の開発や男性の家庭参画推進の数々の啓蒙推進企画を実施。2013年一般社団法人次世代社会研究機構代表理事に就任。2014年「特別養子縁組推進キャンペーン」を日本財団と行う。「子育て知事同盟」応援企画を長野県と企画。子育てパパママ支援企画・女性支援企画を数々開催。

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